
開催の御礼とご協賛いただいた皆さま
2026年10月23日(金)、東京理科大学野田キャンパスにて、「第3回人生インターンシップ」を開催しました。
今回は、株式会社ritaのご協力により、10社もの企業の皆さまにご参加いただくことができました。
各社には協賛金という形で本企画を支えていただいただけでなく、お忙しい中、遠方からも足を運び、学生たちとの対話に貴重な時間を割いていただきました。
まずは参加企業の皆さまに、心より感謝申し上げます。
【ご参加・ご協賛企業10社/五十音順・敬称略】
-
アイ・システム株式会社(https://www.i-system.co.jp/)
-
出光エンジニアリング株式会社(https://www.idemitsu.com/jp/eng/index.html)
-
宇賀神電機株式会社(http://www.ugajin.co.jp/)
-
株式会社大林組(https://www.obayashi.co.jp/)
-
株式会社オカモトオプティクス(https://www.okamoto-optics.co.jp/)
-
オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント株式会社(https://www.orix.co.jp/orem/)
-
株式会社木内計測(https://www.kiuchi-ins.co.jp/)
-
株式会社Kプロビジョン(https://www.k-provision.com/)
-
トーテックアメニティ株式会社(https://www.totec.jp/)
-
三菱重工冷熱株式会社(https://www.mhi.com/jp/group/mhiair/)
また、継続して企画を支えてくださっている東京理科大学 創域理工学研究科 CSUCの先生方、関係者の皆さまにも深く感謝申し上げます。

企業説明会でも、就職活動の講座でもない時間
今回で3回目となる「人生インターンシップ」。
企業と学生が集まると聞けば、通常は企業説明会や採用イベントを想像すると思います。
しかし、この企画で私が目指しているのは、そうした場とは少し違います。
そもそも、企業と学生の双方が、今の就職活動という仕組みに少し疲れているように感じています。
学生は、自分の魅力を企業に伝えるために自己PRを磨き、企業は、目の前の学生が本音で話しているのかを見極めようとする。
お互いに一生懸命なのに、どこかよそよそしい。
本来、人と人が出会うというのは、もう少し自然なことだったはずです。
そこで今回は、会社の説明も学生の自己PRもいったん脇に置き、学生も社会人も一人の人間として、仕事や研究、人生について率直に話してもらうことにしました。
もちろん、企業側には採用につなげたいという目的もあります。それ自体を否定するつもりはありません。
ただ、それだけを目的にしてしまうと、見えなくなるものがあると思うのです。

正解を教えないからこそ、話が深くなる
今回も実にさまざまな話が飛び出しました。
ある学生は、研究に興味があるため、まだ就職活動に気持ちが向いていないと話しました。
これに対して社会人からは、自分も研究や卒業制作に集中していて、就職活動を始めたのは随分遅かったという経験談が出てきました。

私自身も以前、ある理系学生から、研究は未知のことを解き明かしていく活動なのに、就職活動になると急に自分をアピールしなければならなくなる、という戸惑いを聞いたことがあります。
技術者としての思考と、就職活動で求められる振る舞いが、必ずしも一致しないのです。
また、勤務地の話も盛り上がりました。
「できれば関東を離れたくない」という学生がいる一方で、社会人からは「自分も転勤を命じられた時は嫌だった。でも実際に行ってみると面白かった」という話が出てきました。
もちろん、だからといって学生に転勤を勧めるわけではありません。
今そう考えている学生に対して、かつて同じように考えていた人が、その後どうなったのかを話してくれる。
これは、一般的なキャリア講座ではなかなか得られない経験だと思います。

「好きなことを仕事にするべきか」という問い
そして、今回とりわけ議論が深まったのが、「好きなことを仕事にするべきなのか」という話でした。
好きなことを仕事にした方がいいという人。
仕事を続けているうちに、後から好きになっていくという人。
仕事そのものより、一緒に働く人が大切だという人。
そもそも「好き」という感情をもっと分解した方がいいのではないか、という意見も出ました。
例えば、サッカーが好きだとしても、プレーするのが好きなのか、観戦するのが好きなのか、戦術を考えるのが好きなのかでは、まったく意味が違います。
自分は何に面白さを感じているのか。
そこを掘り下げていくと、必ずしも同じ業界や職業にこだわる必要はなくなるのかもしれません。
面白かったのは、誰も一つの答えにまとめようとしなかったことです。
それぞれが自分の経験や考えを持ち寄り、違う意見に対しても、さらに考えを深めていく。
何かを教える側と教わる側という関係ではなく、皆で一つの問いを考えているような時間でした。

初対面なのに、同じ文化圏にいた
そして今回、私が最も強く感じたのは、実はここからです。
参加企業の方々には、東京理科大学のOBや、理系大学で学び、研究や技術に携わってきた人たちが多くいらっしゃいました。

学生と社会人ですから、年齢も立場も経験も違います。
それでも話を聞いていると、どこか不思議な一体感がありました。
考え方や価値観が同じという意味ではありません。
むしろ意見は違います。

しかし、物事をどう捉えるのか、何を面白いと思うのか、疑問をどこまで掘り下げるのか。
そうした思考の進め方や感覚に、共通するものがあるように感じたのです。
学生たちが話す研究への思いや、好きなことに対するこだわり。
それに対して社会人の方々は、自分もかつて同じように悩み、考え、試行錯誤してきた経験を話してくれる。
そして今度は学生が、その社会人の経験に対して新しい疑問を投げかける。
そのやり取りを聞いていると、彼らは初対面でありながら、もともと同じ文化圏で生きてきた人たちなのではないかと感じました。

異なる時代を生きる「自分たち」との出会い
ただし、歩いている時間軸が違う。
今まさに研究に夢中になっている学生と、かつて研究に夢中になり、その後、社会の中で何十年も仕事をしてきた人。
今、仕事選びで悩んでいる学生と、同じように悩みながら、偶然や失敗を重ねて今の仕事にたどり着いた人。
言ってみれば、同じ文化圏にいる人たちが、異なる時代の自分たちと出会っているような感覚です。
だからこそ、意見がぶつかっても会話が途切れない。
初めて会ったはずなのに、相手が何を言いたいのかが、どこか感覚的に伝わってくる。
こうした関係性は、大学で得た知識や専門性だけでは説明できないものだと思います。
研究に向き合う姿勢や、物事を面白がる感性、答えが出なくても考え続ける習慣。
そうした長い時間をかけて身につけてきた文化が、世代を超えてつながっているように見えました。
もちろん、参加者全員が理系出身だったわけではありません。
異なる経験を持つ社会人も加わることで、話の幅はさらに広がっていきました。
共通する感覚があるから話が通じる。そして違う経験があるから、新しい発見が生まれる。
その両方が、今回の対話を豊かにしていたように思います。



人のご縁は、こういうところから生まれるのだと思う
今回、もう一つ嬉しかったことがあります。
以前の人生インターンシップに参加した学生が、そこで出会った社会人からコンテストへの挑戦を勧められ、実際に応募して賞をいただいたという話をしてくれました。
本人は、そのきっかけを作ってくれた人にお礼を伝えたくて、今回も参加したそうです。
残念ながら、その方は今回いらっしゃいませんでしたが、私にとっては非常に嬉しい話でした。
イベントで出会った人の何気ない一言が、その後の学生の行動につながっている。
しかも、その結果を伝えるために、またこの場所へ来てくれる。
これこそが、私の考える「人生インターンシップ」の価値なのだと思います。


予定が終わっても途切れない会話
そして今回も、予定していた時間が終わった後、なかなか会話が途切れませんでした。
学生と企業の方々が、そのまま立ち話を続けたり、談笑したり、思い思いに交流している。
主催者としては、こういう光景が何より嬉しいものです。
もう進行役が話題を振らなくても、誰かが話し始め、誰かが聞き、そこからまた新しい話が生まれていく。
企業説明会であれば、説明が終われば帰るのが普通かもしれません。

しかし今回も、会が終わっても、人と人との関係は続いていました。
おそらく人のご縁というのは、こういうところから生まれるのでしょう。
何か明確な目的があって出会い、その目的を達成するから関係ができるのではない。
最初は仕事や就職というきっかけで出会ったとしても、話しているうちに、その人自身に興味が湧いてくる。
また話したいと思う。
何かあった時に、ふと思い出す。
そんな小さなつながりが、時間をかけて人の人生を動かしていくのかもしれません。

人生のインターンシップは、社会人にとっても必要なのかもしれない
今回の会を終えて、私は改めて、この企画は学生のためだけのものではないと感じました。
社会人の方々も、学生たちの率直な悩みや疑問に触れながら、自分がなぜ今の仕事をしているのか、何を大切にしてきたのかを振り返っていました。
学生は、これから歩く人生を考える。
社会人は、これまで歩いてきた人生を思い出す。
そして、互いの時間が交差する。
企業にとっては採用につながるご縁が生まれるかもしれませんし、学生にとっては将来の仕事選びのヒントになるかもしれません。
しかし、それ以上に、今回のような場では、人が人の人生に触れること自体に価値があるのだと思います。


再会を楽しみに、未来へ
今回ご参加いただいた企業の皆さま、学生の皆さん、そして開催にご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
10社もの企業に支えていただいたことで、これまで以上に多様で、奥行きのある対話の場となりました。
これからも、就職や採用という枠だけでは収まらない、人と人との自然な出会いを大切にしていきたいと思います。
そして今回出会った皆さんが、数年後、またどこかで再会することがあれば。
その時には、今日とはまた少し違う時間軸から、お互いの人生を語り合えるのかもしれません。
そんな未来も、今から楽しみにしています。














