社員採用前に必ず決めるべき3つの待遇

求人を出すこと自体に躊躇してませんか?
上記の問いかけに心当たりがある企業は、おそらく人員不足かと思います。

しかし、過去の採用で失敗した経験や、現在の経営状況が原因で、一歩踏み出せないのではないでしょうか?

結論からいうと、社員募集をかけようか迷っている時点で、募集をかける必要があるのは明白です。おそらく経営者であるあなたがそう感じているということは、あなたの部下は、もっとリアルに人員不足を感じていることでしょう。

新しく採用するなら、やりがいや働きがいを感じてもらいながら、長く働いてもらいたい。

経営者として、そう願うのは当然のことですよね。

しかし、募集をかけるまえに考えなければならないことがあります。

それは、現在自社の社員には「やりがいや働きがいを感じながら、長く働いていきたい」と思える環境が整っているか?ということです。

既存社員がそのように感じながら働ける環境を整えてからではないと、後続の社員はやりがいも働きがいも見いだせず、「まずい会社に入ってしまった」と感じるはずです。

求人を出すまえに、既存社員の環境を整えることが急務です。あなたがもし、現在は1人企業で、これから社員を雇用としている場合も、貴社には、求人者が求職の際に注目する以下の3点は整っていますでしょうか?

  1. 残業が少ない
  2. 昇給あり 賞与あり
  3. 社会保険完備

この3点は、形だけの提示では意味がありません。
社員との約束として、意味と根拠があってこそなのです。

1つずつ解説していきます。

① 残業が少ない

残業が少ない

残業が少ないとは、仕事の量を減らす、仕事を無理やり切り上げさせることではありません。仕事の量を減らしたり、仕事を無理やり切り上げると、企業としての生産性が下がってしまいます。残業を少なくするには、1日の仕事量をそのままに、定時までに終わる仕組みを考える必要があります。

「どうすれば残業が減るかな」という思考では、解決できません。

「どうすれば、定時までに終わる仕組みが作れるかな」と考えなければいけないのです。

そのためには、業務の1つ1つを本当に必要な業務なのか断捨離する、この業務をやる時間帯・工数は本当に現状が適切なのか吟味する、もっと業務効率を上げるために導入すべきツールはないか検討する、といったことを考える必要があります。

② 昇給あり 賞与あり

昇給あり 賞与あり

昇給の基準は、経営者であるあなたの中で定まっていますか?そして、それは社員にちゃんと提示されていますか?

「頑張ってくれてるし、長く働いてるから昇給する」という考え方は古すぎます。
「頑張ってる」も、「長く働いている」も、人によって、気分によって尺度が変わります。

昇給は仕組みを作る必要があります。それも、「定量的な基準」「定性的な基準」の両面で評価できることが望ましいです。

定量的な基準とは、売上などの数値的な部分です。

定性的な基準とは、社員本人が「こうなりたい、こういう行動を起こしたい」と望んで設定した、数値では表せない、行動面の評価です。

この両面で評価して、昇給する基準を社員に明示するとよいでしょう。

賞与は、会社の業績によって増減することを、社内の共通認識として周知しておいた方がよいです。それにより、社員の業績に対する興味・関心も変わってくるはずです。

③ 社会保険完備

社会保険完備

社会保険に加入条件でないと求人が来ないという考えはそもそもフルタイムのみを前提とした求人になってしまっております。あまりそこにこだわらずパートタイム出勤を前提としていても戦略的に間違いではありません。一例としてパートタイム主婦層などは将来の有望な人材となります。

「夫の扶養の範囲内で働きたいが、パートではなく、ある程度の労働時間で責任ある仕事を任されたい」このように考えている主婦層も、一定数いるのです。

このような仕事に対するモチベーションの高い主婦は、長期的な視点で見ることで、社員・企業の成長に大きく貢献してくれます。主婦の中には、子供の手が離れれば会社の正社員として尽力したい、と思っている方もいるのです。

社会保険完備の求人を出して「扶養内で働きたい方はご相談下さい」と注意書きするのもよいでしょう。

上記が社員採用前に必ず決めるべき3つの待遇なのです。このような取り組みを行うことにより、新しい社員を受け入れる基盤が整います。

採用のアクションはすぐに成果が出るわけではありませんが、会社の成長のためには先を見据えた行動を起こす必要があります。ぜひとも上記の3つの待遇、取り組んでみてください。

須賀 孝太郎
おおたかの森ファーム 代表取締役
東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。
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