会社経営を長く続けていくためには、適切なタイミングで新規事業を立ち上げていくことが大切です。
この記事では、新規事業を立ち上げるタイミングやその時の注意点について解説します。
ぜひ、参考にしてください。
忙しいときこそ新規事業を立ち上げるチャンス
新規事業を立ち上げるベストタイミングは、既存事業が乗りに乗っているときです。
「忙しすぎて新規事業のことなんて考える暇ないよ!」という声が漏れそうなときこそ、新規事業を立ち上げるベストタイミングなのです。
忙しいときに新規事業を立ち上げておくことで、それから数年後に「あのとき始めておいてよかった」と安堵することになるでしょう。
利益が出ているので投資しやすい
既存事業が乗りに乗っていて、手が回らないほど忙しいときには、当然利益が出ているはずです。
新規事業の立ち上げには予算が必要で、その予算は更なる利益拡大を目指すための先行投資だといえます。
「既存事業の〇割」を新規事業の予算に回すと決めることで、財務面・精神面共に負担を軽減できるはずです。
既存事業が衰退し始めてから慌てて新規事業の準備を始めても、財務面・精神面共に苦痛を強いられることは明らかでしょう。
また、利益が出ているときの方が、金融機関からの融資もスムーズに進められるというメリットもあります。
補助金申請は利益が出ているうちに進める
同様に、補助金の申請も利益が出ているうちに進める方がいいでしょう。
「ピンチになったときこそ補助金に頼るべき」と考えるかもしれませんが、補助金の申請の準備から採択されるまで、そして実際に補助金が支給されるまでには、時間的・人員的な猶予が必要になります。
経営状態が傾いているときでは、補助金申請の採択・不採択が決まるまで気が気ではありません。
万が一不採択になってしまうと、崖っぷちに立たされたような状況になってしまうはずです。
力を抜いて良い事業計画書を作成できるよう、補助金申請は業績が良いうちに進めましょう。
コロナ禍・円安下を切り抜けるための新規事業は本業に即した事業を
2022年現在のようなコロナ禍・円安下で会社の経営が下向きになってしまい、新規事業開発の必要に迫られている企業も多いでしょう。
そのような場合は、既存事業で築きあげてきた実績やノウハウを活かせるよう、本業に即した新規事業の立ち上げをおすすめします。
もちろん、これまでの通用していたことが全く通用しないことはご存知のとおりでしょう。
閑散期に本業に即した新規事業を立ち上げるときは、以下のようにアプローチを変えなければなりません。
1期で売上がついてくるとは思わないこと
まず、前回の記事でもお伝えしたように、新規事業を立ち上げても1期で売上がついてくるとは思わないことが大切です。
売上は仕組みが整い、人が育って、初めて数字がついてくるものであり、どんな事業でも3年ほどの時間はかかると思っておいた方がいいでしょう。
仮に1期でうまく業績がついてきた場合も、その裏側に大きなリスクが潜んでないか十分注意する必要があります。
目先の利益のために大きなリスクを犯してしまわないように、慎重に進めることが大切なのです。
閑散期の新規事業立ち上げにふさわしいメンバー
閑散期の新規事業の立ち上げ、特に本業に即した新規事業の立ち上げメンバーには、社長は加わらない方が賢明です。
代わりに、新規事業の立ち上げメンバーには以下のような人を揃えるといいでしょう。
- 業界と距離がある人
- 俯瞰的に見れる人
- 経営でなく現場に携わってきた社員
上記のようなメンバーでブレストをおこなうことで、社長にはない斬新な発想と視点をもって、いい案が上がってくるでしょう。
本業に即した新規事業を立ち上げるには、その業界が変化しているポイントこそがビジネスチャンスです。
本業の経験が長い社長は、業界への愛情・責任感があります。
そのため、その業界の転換やスピンアウトに対して拒絶してしまうのです。
閑散期の新規事業立ち上げ時に社長がやるべきこと
新規事業の立ち上げを他者に委ねるとしても、社長は完全に身を引くわけではないので安心してください。
社長の役割は以下のとおりです。
- 予算設定
- スケジュール調整
- これまでの経験から考えられるリスクや情報の提案
予算やスケジュールに関することは、社長にしかできない仕事です。
ただし新規事業の内容に関することは、あくまでも「強制」ではなく「提案」で留めてください。
新規事業部からあがってきた事業案が、社長にとっては現実味がないものとなることも考えられます。
- なんとなく大したことがなさそう
- なんとなくリスクがありそう
- なんとなく効率が悪そう
このように感じることもあるかもしれませんが、現代は先行きが見えない時代です。
これまでの既成概念を捨てて、変な縛りを持っていないメンバーの意見を信じることも大切なのです。
閑散期に一番やってはいけない新規事業
新規事業を立ち上げる際に、よく失敗に陥る例があります。
特に今のような閑散期こそ、安全策を取ろうとしている下記の2つの例こそ失敗する典型なのです。
今流行っていること
今流行っていること=今がピーク
一見当たりまえのようですが、焦っているときは見落としてしまいがちです。
中小企業は、ニッチな戦場こそが挑むべきマーケットだということはご存知のとおりです。
すでに出来上がった市場で、大手や前から取り組んでいた企業に競うのは賢明ではありません。
これから来るといわれていること
これから来るといわれていることは、いつ来るのかが不透明です。
もしかしたら、ずっと来ないのかもしれません。
また、これから来るビジネスは情報が少ないため「どのくらいの投資をすれば収益ベースになるのか」などの予測が立て辛くなります。
閑散期から取り組むのでは計画が立てられず、もし撤退するときは財務面・精神面共に消耗も激しくなります。
新規事業は、失敗や撤退を想定しないといけません。
想定とは、常に失敗を考えるというのではなく、失敗した時のダメージを極力浅くするよう努力することです。
そういった意味でも、信憑性のない「これから来る」に閑散期に手を出すことはおすすめしません。
まとめ
新規事業の立ち上げは、既存事業が乗りに乗っているときがベストタイミングです。
閑散期に新規事業を立ち上げるときは、既存事業に即した範囲内で、尚且つこれまでにはない斬新なアイディアにも意欲的に取り組むとよいでしょう。
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