中小企業の経営戦略の変革の具体例|とある副業会社編

現代は働き方を選べる時代です。

終身雇用は崩壊したといわれ、私達の働き方は多様化が進んでいます。

この記事では、そんな時代の中でとある大企業で働きながらも副業で会社をおこした社長の実例を紹介します。

目次

とある大企業の社員が、副業会社をおこしたときに直面した問題

entrepreneur

働き方改革の施行により、多くの企業が副業を解禁しました。

副業は個人で案件を請け負って報酬を得ていくやり方が通常ですが、会社をおこして事業としてやっていくやり方もあります。

副業として数人で一緒に会社をおこし、大企業で働きながらも本業の勤務時間外で自分達の会社を経営する事例が増えてきているのです。

以下はそのような会社の実例です。

その会社の主な事業内容

各々がメインの仕事を持ちながら、事務所を構える必要がなくオールリモートで業務をこなすことが可能な、システム系の会社を立ち上げました。

固定費をかけずに、最小限のスタイルで経営を進めていきたいと考えたのです。

もうけはみんなで山分けしつつ、起業した会社が大きくなれば脱サラして本腰を入れていくことも視野に入れながらスタートしたのでした。

その会社が直面した問題

副業者が集まったフルリモートワークの会社という、特殊な会社経営。

いざ蓋を開けてみると、多くの問題に直面してしまいました。

直面した問題
  • 全員が副業なので経営に本腰が入らない
  • 経営の経験がないので、申告を前提とした経理のやり方がわからない
  • どのくらい役員報酬をとっていいかわからない
  • 経費になるもの・ならないものの判別ができない
  • 本業が忙しくなると副業が疎かになる
  • 黒字なのにキャッシュフローがあやしい

このように、各業務のスキルは申し分がないものの、経営者としては素人といわざるをえない状態だったのです。

おおたかの森ファームが投じた事業スタイルの変換

business

多くの問題に直面した社長から、弊社は相談を受けました。

弊社が投じた事業スタイルの変換について解説します。

おおたかの森ファームが立てた仮説

社長から相談を受けた弊社は、以下の仮説を立てました。

おおたかの森ファームが立てた仮説
  • 副業会社だとはいえ、しっかりとした事業計画が必要
  • 安定したバックオフィス業務の分担化が必要
  • 定期的な社内会議が必要
  • 副業会社ならではの強みを、自分達が把握していない
  • 会社経営の基礎を学ぶ必要がある

これらの仮説をもとに、時間が限られている副業でありながらも、1つの会社として盤石な経営をしていけるような基盤を作れるような施策を投じたのです。

仮説をもとに投じた施策

弊社が投じた施策は以下のとおりです。

投じた施策 狙った効果
おおたかの森ファーム主催の会議を月1開催する 会社の現状を共有し、全員が自分ゴト化して捉える
バックオフィス業務をおおたかの森ファームがおこなう 本業の負担にならないようバックオフィス業務を請け負う
一般的な中小企業の例をベースに事業計画を立てる 将来的な脱サラ・独立を視野に入れた経営をおこなっていく
会社経営の基礎を伝えていく キャッシュフローの健全化

施策によって生まれた3つの効果

前述した施策を投じたことにより、以下の効果が生まれました。

施策によって生まれた3つの効果
  • 積極的に営業をおこなう or 既存の顧客に注力する、などはっきりと判断できるようになった
  • 仕事をうまく受注できないときの原因を客観的に分析できるようになった
  • キャッシュフローが健全化し、節税対策もおこなえるようになった

このように1つの会社として健全な経営をおこなえる基礎を築きあげ、現在は今後どのように事業を好転させていくかを考えるタームに移っております。

業績不振時に備えての施策

現代はVUCAの時代といわれており、今後どのような社会になっていくかの先行きが不透明です。

先行きの見えない現代では、いつ想定外の事態が起きてしまうか誰にもわかりません。

業績不振時に備えての対策をしっかり打っておくことが大切なのです。

つまり、状況に合わせて会社の規模や工数を変化できるような体制を整えておく必要があります。

この副業会社では、業績不振時に備えて以下のような対策を投じております。

いざというときの会社を小さくする方法
  • 本業があるので、業界自体が下向きなときは積極的に事業規模の収縮をおこなうことができる
  • 副業の業務委託者に外注することにより、リスクがある際は発注をセーブできる
  • 業績が良いときは基本的に役員報酬も増やすが会社への貸し付けを増やし、役員への支払額は業績に限らず一定にする

このような準備をしておくことで、業績が下がったときもキャッシュを追いかけてのその場しのぎの営業をする必要がなくなるのです。

まとめ

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  • 人・物・箱を大きくしたり小さくしたりできる
  • 会社を止めたり動かしたりできる
  • マーケットを変えてもすぐに売れる

先行きの見えない時代を前進していくためには、このような柔軟に変化できる体制を整えることが大切です。

おおたかの森ファームは、業種は問わず中小企業の経営戦略の変革に携わることができます。

お気軽にお問い合わせください。

須賀 孝太郎
おおたかの森ファーム 代表取締役
東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。
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