インボイス制度導入は人材獲得のチャンス?!ピンチをチャンスに変える戦略と思考

令和5年より、インボイス制度が開始されます。

どんな制度なのかは、スペースの都合上税理士の先生のサイトなどをご参照ください。

もしくは、以下の動画でホリエモンこと堀江貴文さんがわかりやすく解説してくれています。

おおたかの森ファーム株式会社としては、今回「インボイス制度をきっかけとし、人材の獲得に結び付けること」をご提案をさせて頂きます。

目次

インボイス制度が導入されるとどうなる?

インボイス制度が導入されると、私達中小企業を取り巻く環境はどう変化するのでしょうか?

インボイス制度で最も注目すべき点

インボイス制度で一番注目すべき点は、IT化ではありません。

「小規模事業者=免税事業者」の既得権益である、消費税の益税がなくなることです。

これにより、大企業や中小企業も事務手間や管理コストが生じることはありますが、特に直接増税になるわけではありません。

負担が増えるのは、長年に渡り小規模事業者として免税事業者でありながら、消費税を受け取っていた方々です。

  • 一人親方の職人
  • フリーランスのライター・エンジニア・デザイナー

上記のような、どちらからというと経済的にそこまで余裕のない事業者の資金的な負担が増えることになります

インボイス制度の導入で予想されること

インボイス制度への登録は義務ではありません。

しかし、登録をしないと「一段モチベーションの低い事業者」として偏見を持たれてしまう懸念があり、王道としてはインボイス登録をして簡易課税事業者として消費税を納税せざるをえない状況にあります。

これを促すのは国でもあるのですが、どちらかというと報酬や料金を払う上の会社の管理状況によるところもあるのです。

例えば、建設会社で下請けとして材料を支給しており、手間で働いてもらっていた職人に対しては以下のような対応をすることになるでしょう。

「インボイス制度がはじまるので、インボイス登録をしないと今まで通り消費税を払えなくなります。もしくは、条件を変更して当社の正社員として雇用されるのはどうですか?」

このように打診された下請けとして働いている職人は、そもそもインボイス制度をよく把握していないという面もあるため、以下のように反発を起こすはずです。

「ただでさえ、今まで値上げもしてくれず、こきつかわれてきたのに。更に消費税ももらえず、挙句の果てには社会保険などひかれて手取りの減る正社員?冗談じゃない」

消費税は現在10%で、益税としてはかなり比率が高くなっています。

インボイス制度は、経済全体のバランスをみたらもっともな制度かもしれません。

しかし、手一杯で働いている下請けさんからすると、いくら国の制度とはいえ、親会社からの指導に対して我慢の限界がきてしまうのです。

個人事業主はこれまでの主従関係が崩れる可能性も

これまでは、結果税理士に頼まずいい加減に確定申告してきた個人事業主も少なくありません。

しかし、インボイス制度の実施によりいよいよ自身での確定申告がむずかしくなるはずです。

税理士に依頼することになると、これまでのようないい加減な申告はできなくなるでしょう。

所得も増え、所得税・保険料などの負荷も上がってしまううえ、税理士報酬など発生します。

国としては抜け目なく税金等を徴収できるので、一時的には税収は増えるでしょう。

しかし、経済的に虐げられてきた下請けの職人や技術者は更に追い込まれることになり、いままでの主従関係が崩れることになります

インボイス制度は人材獲得のチャンス

インボイス制度の導入により、各業界は混乱するでしょう。

しかし、その混乱の逃げ道を作れば、人材を確保するチャンスでもあるのです。

インボイス制度導入が職人・技術者に与える変化

これまでは、日本の職人・技術者の中には、世間的にみてもなかなか悪い条件で日夜働いている人が多い傾向にありました。

職人や技術者の多くは、親会社との間にある義理を大切にしたり、新しい環境や条件に身を置くのに付随する事務手続きが苦手だったりという側面があり、そのような環境でも働いていたのです。

しかし今回のインボイス制度導入によって、その関係性を見直したり、勉強や調査をして、自身のポジションや今後の身の振り方を真剣に考え始めている方が増えています

インボイス制度を人材獲得のチャンスに変えるには

インボイス制度には3年・5年と猶予があり、より登録事業者の負担を減らす動きもあります。

しかし、それらの猶予や動きは、各事業者にとってはあまりいいものではありません。

猶予期間があることで、「どういう制度でどこまでが義務か」がはっきりしなくなり、親と子で不一致が発生し、不信感へとつながるのです。

しかし、そんな時に例えば以下のような募集文を出したら、職人や技術者達はどのように反応するでしょうか?

弊社は人材を募集しております。

今後始まるインボイス制度に関して、協力業者様を完全にバックアップします。

まずは今回契約する委託条件の金額に対して インボイス登録をしていない事業者に対しても3年間は消費税分の報酬を支払います。

上記のように謳うことにより、「ひとまず3年間自身の所得を前同様に保障してくれ、煩わしい消費税申告などをしばらく回避できるのであれば連絡してみようか」と考える人材からの問い合わせを引き寄せられます。

こんな機会は、アベノミクスより好景気だった建設業では皆無に等しかったはず。

今回のインボイス制度は、今まで動きようのなかった人材をひきよせるための絶好のタイミングでもあるのです。

まとめ

インボイス制度により生じてしまった混乱を、垣間見ながらおこなえる人材確保の方法はいくつもあるはずです。

 大事なのは、複雑になりすぎたインボイス制度を熟知することでしょう。

その隙間をついて、知ることを億劫になっている小規模事業者の心を動かすこと

よくいえば義理堅い、悪くいうと動かない人材を動かすチャンスでもあります。

 その後の信頼獲得にも多難はあるはず。

まずは、長年動かない人材を獲得するという大きなハードルを超えることで、会社にとって有意義であることは間違いありません。

 人材獲得の戦略に関しては、おおたかの森ファーム株式会社(https://otakanomorifirm.com/contact/)までご相談ください。

須賀 孝太郎
おおたかの森ファーム 代表取締役
東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。
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