出来ると言ってできない人から、出来ないと言ってやる人への価値の移行

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出来ると言ってできない人から、出来ないと言ってやる人への価値の移行

働き方の変化

社会が変わる前、ひと昔前の職場でありがちだったのが・・・
はい、できます!」「困難に勝ち抜き必ず成し遂げてみせます!
男児が好む言葉ですね。
こういった形の誠意が大好きな経営者は多いです。
“ 不可能を可能にする ” それがビジネスの神髄という価値観でした。

しかし、社会が変わってからその価値はリスクが膨大になってきました。
「はい、できます!」と言って、できない人が多発しているのです。

話の流れからここは「はい、できます!」と言ってほしい、そんな上司の意向をくみ取ってしまい結果できない。
それをある程度の実績や地位のある方がやってしまっているのです。

何故か・・・
働き手が減っているから、また人と人をつなぐビジネスの通訳がいなくなってきているからです。

ひと昔前ですと「はい、できます!」と言ってから沢山いる人材の中からふるいにかけて、無理やりことをこなし達成する。
もしくは、ビジネス通訳の活躍でプロジェクトマネジメントが円滑に進み、達成できて来たのです。

それを「はい、できます!」ということが得意なひと昔前の仕事ができる人が成果を独り占めしていた為、そんな人たちが今とても苦しんでいます。

“ ビジネス通訳 ” 特性のある人とは

ところで “ ビジネス通訳 ” は、どんな特性のある人でしょうか。

 それはコミュニケーション能力があり、よく考えることと行動をどちらも重きを置いて動ける人です。

かつては団地など幅広い世代が一緒に遊んでいたり、先輩後輩のなかでの主従関係や飲みにケーションなど、ただ惰性でコミュニティにいることは無価値ですが、コミュニティの中で自分の立ち位置や処世術を覚えた人は、履歴書に書けないとんでもない価値があります。
そしてそういう人材は、人の話を聞くのが上手です。

人間歳をとってくると人の話を最後まで聞けなくなります。
話している最中に「もういいから!つまりはこういうことでしょ!!」とさえぎって結論を出すことは頭の回転が良いわけではなく、聞くことができないのです。

一般的に歳をとってくると聞く力が減ります。聞くことはとってもエネルギーがいるので、経験値や技術よりも大事なスキルだと思います。
というより、聞く力がある人はフィードバックもするのでスキルも身についてしまうのですが。

“ 聞く力 ” は、どんな経験値や技術よりも大事なスキル

“ 聞く力 ” への転換

そして、“ できない ” を沢山いう人は今まで社会で嫌わてきました。
上昇志向のマインドの最中に「できない」「これはだめだ」と言われるとイラっとしてしまうのです。

しかし仕事をできる人の中には、“ できること ” をしっかり区別するために “ できないこと ” を明確にする考え方があります。それはマインドとは別のタスクの整理であり、昨今ビジネスを席巻してるAIもこの思考に近いです。

今後は「はい、できます!」という人の深層をしっかり精査し、出来ないという人の何がどうできないのかをしっかり聞くことが経営者の重要なスキルです。

つまり経営者も上昇マインドの塊ではなく “ 聞く力 ” がある落ち着いた経営者が今後は活躍していきます。

そのつまるところ “ 聞く力 ” はエネルギーが必要で、エネルギーは比較的若者の方が多いわけですので、経営者の若返りも重要なタスクとなってきます。

実績や社会的地位、経済力は陳腐化していき “ 聞く力 ” “ タスクを切り分ける力 ”  “ 事業を安定して継続していく力 ” が組織に必要となる大きな転換がおきていることを気が付かないといけません。

ひと昔前の経営者にある “ 精神論で乗り来る ” といった得意技は通用しない時代になっています。
ひと昔前の人間に育てられた部下(中間管理職)は今の働き方にどう対応していくか、戸惑いもあるのではないかと思います。
過去の経験を捨てるのではなく活かしながら “ 話す力(押しつける)” から “ 聞く力(受け入れる) ” にチェンジしていくことが大切なのだと思います。
また、できないと言わせないような顔色を窺わせる職場環境も変えていかなければいけないのだと思います。

 

須賀 孝太郎
おおたかの森ファーム 代表取締役
東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。
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