吉祥寺でネパール料理店を営むご夫婦のビジネスの先にある「健康」と「故郷」

先日、吉祥寺でネパール料理店を営むご夫婦に話を聞く機会があった。

お二人ともネパール出身で、日本に来たきっかけは当然ビジネスだと思う。実際、最初の頃は店舗を増やし、日本で商売として成功するために本気で働いてきたという。

けれど、話を聞いていて印象的だったのは、いま彼らの関心が「ビジネスの拡大」よりも、その先の価値へと移っていることだった。

地域の国際交流イベントに関わり、商店街の活動に参加し、公立学校でネパール文化の授業を行い、チャリティーコンサートを開き、震災時には支援金も送る。

単に商売を続けるだけでなく、地域や社会とつながりながら生きることに価値を見出している。

特に印象に残ったのは、奥さんの姿だ。とにかく元気で、楽しそうに動き回っている。その姿を見ていると、「活動することそのものが健康であり、幸せなのだ」という価値観を自然に体現しているように見えた。

お金を稼ぐことやビジネスを成功させることはもちろん大事だ。
けれど、それだけではなく、人と関わり、社会に何かを返し、自分も楽しむ。その循環の中にいることが、結果的に健康や幸福につながっている。

さらに面白いのは、その価値観が次の世代にもつながっていることだ。

息子さんはアメリカで学び働いていたが、いまは日本に戻りつつあり、将来は日本とネパールをつなぐ仕事をしたいと考えているという。ただ海外で成功するのではなく、自分のルーツや故郷との関係をどう築くかを考えている。

ビジネスの競争を一度戦い抜いた人たちが、やがて自分の国や社会、そして人生の幸せの形を見つめ直していく。

そして今回、個人的にいちばん印象に残ったのは、こうした価値観が、日本人だけのものではなかったということだ。

日本に生まれ、日本で育った自分たちが、どこかで感じている「仕事だけではなく、人とのつながりや健康や故郷との関係が大切だ」という感覚。それを、ネパールに生まれ、日本に渡り、まったく異なる環境で生きてきた人たちも、同じように大切にしている。

国や文化、育った環境が違っても、人生のどこかで人がたどり着く価値観には共通点がある。

それは日本の話ではなく、アジアや世界の中で共有されている感覚なのだと、今回の出会いであらためて感じた。

これから吉祥寺という街を舞台に、こうした人たちと教育や文化交流、地域イベントなどを一緒につくっていけることがとても楽しみだ。

国際交流というと大きな政策や制度の話になりがちだが、実際にはこうした日常の出会いの中で、少しずつ形になっていくのだと思う。

 

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須賀 孝太郎
おおたかの森ファーム 代表取締役
東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。
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