2022年も折り返し地点を過ぎた今、世情は更に目まぐるしく変化しています。
コロナ禍前ではとても順調だった会社も、苦しい現状を打破するべくさまざまな施策を投じているはずです。
今後の事業展開・事業転換に悩んでいる企業もあるでしょう。
この記事では、そのように四苦八苦している中小企業の今後の立ち回り方のヒントをお伝えしていきます。
今後どんな事業がくるのかは誰にもわからない
コンサルティングを主軸としている我が社も、クライアントから今後の立ち回り方についての質問を受けることが多いです。
- 今どんな事業が儲かるのか
- これからやるにはどんな事業がいいのか
主な相談内容は上記の2つです。
しかし、このどちらにも「〇〇をやったらいいですよ」という明確な回答はできません。
今儲かるという事業を展開している会社は、その波が来る前から準備をしていたからこそ今があります。
これから始めるのでは遅く、既にピークを過ぎている場合も多いでしょう。
- 環境に関する事業
- WEB3.0案件
- 東南アジアなどとの取引
このようなポテンシャルの高い事業や案件はあれど、これらが主流になる時代が「いつくるか」は、誰にもわかりません。
いつ成立するかわからない事業に対して、具体的な事業計画を立てていくことは机上の空論に過ぎないのです。
中小企業がやるべきコストの見直し
昨今の世情を鑑み、ほとんどの企業がコストの見直しに取り組んでいます。
取り引きや契約の一つひとつも、コロナ前までのような「付き合いや長年の信頼」ではなく、サービスに対しての対価が十分であるかの「コストパフォーマンス」を判断基準としています。
- 長年の付き合いだから価格の見直しをしてこなかった
- サービスの質が粗悪になって対価とと釣り合いがとれていない
業績が良い間は目を瞑ってきた上記のような事例も、今はしっかりと目を向けなければならない事態になっているのです。
自社サービスの対価と業界の時価とのバランスの見直し
コストの見直しをするうえで、まずは自社のサービスのコスパが良いかを、今一度分析する必要があります。
わかりやすく例えるために、自社が携帯電話のサービスを展開している企業だとします。
- 月々の通話料・通信料
- 電波の範囲
- 付帯サービス
- 対面サービス
消費者はこれらをトータルして、どの企業のサービスが自分に合うか・どれが一番お得かを判断するはずです。
逆に、売る側の企業は同業他社と自社のサービスをしっかり検証せねばなりません。
どの顧客層をターゲットとするのか。
他社よりお得な対価を実現できているか。
できていないとしたら、どこが他社よりコストがかかっているのか。
これらを徹底的に分析・検証し、自社独自の強みを打ち出していく必要があるのです。
しかし、コストを絞りに絞るのは限界があるはずです。
組織の規模や地域性など、さまざまな事情から「コストカット疲れ」を起こしてしまいかねないので、注意が必要です。
おまとめサービスでお得感を出せないかの見直し
携帯会社の例でいくと、ネット回線、電気代などを抱き合わせで契約すると割引できるケースがあります。
サービスをまとめた「抱き合わせマルチサービス」を提供することで、消費者にお得感を感じてもらうのです。
これは企業としては「手続きの簡略化」や「業務効率の改善」が実現し、買う側も売る側もWin-Winの関係性になります。
サービスの見直しと共に「抱き合わせマルチサービス」を提供することで、価格競争を避けながら競合他社と戦うことができるのです。
しかし、ニッチなサービスを展開している中小企業にとって、「抱き合わせマルチサービス」の提供は至難の業です。
中途半端に手を出すと、サービス全体にブレが生じてしまう可能性があります。
抱き合わせ「マルチサービス」の作り方
中小企業は「ニッチなサービスを深く掘り下げて突き詰める」ことも確かに大切です。
しかし、大手に負けないほどのサービスにするには相当深くまで突き詰めないと太刀打ちできません。
戦略的に事業を進めていくなら、深掘りサービスよりも、やはり、「抱き合わせマルチサービス」がおすすめです。
本業に合わせてサブサービスを用意することで、ある意味独占的な市場を開拓できるはずです。
サブサービス開発のコツを2点お伝えします。
「本当に好きなこと」と抱き合わせる
あなたの会社のサービスに合ったサブサービスを開発する一番の近道は、「本当に好きなこと」と抱き合わせることです。
逆に、「これが流行っているから」と安易に飛びつくことは避けた方がいいでしょう。
私自身もそうですが、「今の本業が好きでたまらないからこの事業を選んだ」という社長は少ないのではないでしょうか。
- 親の事業を引き継いだ
- 会社員時代の業務の流れで
などなど、ある程度の事情を経て、現在の事業に携わっている社長が大半だと思います。
しかし、長年事業を続けていく中で、自身が「本当に好きなこと」に気付いた方も多いはずです。
例えば、ものづくりの町工場を引き継いだが、実は展示会などの広告代理店業務が好きで自ら出店の段取りをしているという方もいます。
この場合、「ものづくりからプロモーションまで、一貫してできる企業」として確固たる地位を築けるポテンシャルを秘めているのです。
第三者からヒアリングする
サブサービスを開発するうえで、第三者からヒアリングすることも大切です。
自分のことは自分ではわかり辛いもので、自分の好きなことがイマイチわからないという方もいるでしょう。
その場合、付き合いの長い第三者にヒアリングしてみると「〇〇さんは△△をしているときが一番楽しそうだよ」などと、自分では気付かなかった一面に気付けるかもしれません。
また、自分で「これが好きだから事業にしたい」と思うようなことでも、第三者から「向いてないから止めた方がいいよ」と優しく助言してくれるかもしれませんね。
まとめ
抱き合わせマルチサービスの展開は、中小企業がコロナ禍を生き抜くうえで非常に有効なアクションとなるはずです。
マルチサービスの展開に付随して発生する組織編成やバックオフィス業務が苦手な場合は、その道のプロに依頼しましょう。
中小企業の社長は、自身が得意なこと・好きなことに注力するべきです。
本業が好きで好きでたまらなくて「サブサービスに手を出すよりも、本業に全力を注ぎたい」という方は、本業の分野をとことん深掘りしていきましょう。
そのときのポイントは、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
マルチサービスの展開戦略に関しては、おおたかの森ファーム株式会社(https://otakanomorifirm.com/contact/)でもご相談をお請けします。