中小企業経営者にとって、自社のノウハウは宝です。
だからこそ、その宝を使って社会に貢献しようと日々奮闘していることでしょう。
しかし「宝の持ち腐れ」という言葉があるように、自社のノウハウの取り扱い方を間違えるとその効力を発揮できないまま腐らせてしまうことになります。
この記事では、中小企業の自社ノウハウを使った次世代戦略について解説していきます。
中小企業のワンマン社長が抱える実状
中小企業の社長は、全ての裁量や決定権を自身が持っているワンマン体制で経営をおこなっている方も少なくありません。
しかし、ワンマン社長はワンマンだからこその苦悩を持っているはずです。
ワンマン社長がワンマン体制から抜け出せない理由
中小企業のワンマン社長の多くは、自社のワンマン体制を崩そうとしません。
ワンマン体制から抜け出せないというより「抜け出そうとしていない」といった方が正しいでしょう。
なぜなら、ワンマン社長の多くは以下のような思い込みを持っているからです。
- どこの誰も自分の代わりにはなれない
- 自分の・自社のスキルは教えたところで誰も身につけられない
- そもそも、スキルは教わるものではない、体で覚えるものだ
上記のような思い込みに固執してしまい、結果的に成長性のない社長依存型の会社になってしまっています。
もちろん、社長のスキルやに人間力をフルに活かして、結果的にワンマン体制のまま何十年も続くような会社にまで成長させている方もいます。
また、ワンマン体制だからこそ「辞めたいときに辞められる」という強みもあるでしょう。
ワンマン体制から抜け出せない社長の悩み
しかし「ワンマン体制から抜け出したくても抜け出せない社長」の多くは、以下のような悩みを抱えているはずです。
- 大きな仕事をお願いされたのに、自社のキャパが足りず断るしかない
- 仲間内で共同で受託しようとしたが金額が高騰し、先方予算をオーバーして受託できない
一度は夢見て株式会社を作ったのに、自身のスキルをもっとたくさんの人々に届けたいのに、それを我慢してワンマンになっている会社もあるでしょう。
「自分のスキルを受け継いでくれる後継者さえいれば」と後継者育成に励んでも、うまくいかずに諦めてしまったこともあるかもしれません。
賢い人間ほどワンマン社長からの事業継承を嫌がる理由
確かに、今まではワンマン社長のスキルの継承は困難でした。
スキルを継承できる可能性を秘めているのは、以下のような「普通じゃない従業員」です。
- 常にメモを取ることを怠らない勤勉な人物
- いくら怒られても耐えられる忍耐力を持っている人物
- 寝る間も惜しんで仕事をこなすほどの仕事人間
ワンマン社長の多くは、上記のようなワーカホリックな従業員を愛する傾向があります。
「自分を犠牲にして仕事に打ち込むほどの普通ではない様子」を「愛社精神」と解釈し、信頼と愛情を寄せてしまうのです。
よって、ライフワークバランスの取れた賢い人間は、ワンマン社長から見向きもされません。
素晴らしい能力を持っているにも関わらず「仕事に身が入っていない」と判断され、出世や事業継承とは無縁になってしまうのです。
また、それほど優れた人材なら「ここは自分がいるべき場所ではない」と見切りをつけ、早々に退職してしまうこともあるでしょう。
ワンマン社長が取るべき次世代戦略
ワンマン社長が自身のスキルを他者に継承したいなら、まずは「どこの誰も自分の代わりにはなれない」という思い込みを捨てることから始めましょう。
現代は、その思い込みを打破してくれるツールがあります。
それがSNSです。
ワンマン社長はSNSを使ってノウハウを公開しよう
SNSを使えば、ワンマン社長がおこなっている仕事や、持っているスキルを簡単に可視化できます。
例えば、インスタグラムを使えば以下のような自社のあらゆる側面を、他者に対して端的にシェアできます。
- 商品や製品
- 理念・経営方針
- 社員の思い・こだわり
- ノウハウ
- 製造過程
数枚の画像や少ない文量のコメントで、上記のような要素を紹介・提供していくのです。
もちろん、クライアントなどとの機密事項は守らないといけません。
しかし、自社や社長のノウハウは惜しみなく表現し、アップロードしてよいのです。
ワンマン社長のノウハウを公開すべき理由
厳しい言い方をすれば、ワンマン社長のノウハウは社長がいなくなったら忘れ去られます。
また、そのノウハウを聞いてすぐに他社が真似ができるものであれば、必死に隠し守る価値のないノウハウかもしれません。
「炎上」という言葉を悪い意味で使いますが、炎上は注目を浴びていないとできないのです。
見方を変えると、脱法行為やモラルに反したものでなければ、炎上は自分や自社が注目されているからこそ起こるものだといえます。
画像や動画、コメントの作成を社長が全て担当する必要はありません。
従業員に頼むのもよし、そのやりとりを通して社長のノウハウが従業員に継承される可能性もあるでしょう。
「ノウハウをアップしてしまうと、競合他社に真似されて自社の売り上げが落ちる」
そんなことはほとんどありません。
むしろ、ノウハウを公開することで閲覧回数やアクセス数が増えたのであれば、WEB戦略として商才ありです。
だれに見せるわけでもなく、自社のとっておきにしていたものをアップしてみましょう。
意外とみんな興味を持たなかったり、アップしたが説明がうまくできず閲覧者に伝わらなかったりすることもあるでしょう。
そのような他者の反応は、外に向けて公開したからこそわかるものです。
その反応があるからこそ、改善策を思いついて更に良いコンテンツを発信できるようになります。
SNSでの自社ノウハウの発信は、会社の成長を促進する作用しか生みません。
人生一度きり、会社経営もほとんどの人は1度もしくは2度くらいです。
その中で出し惜しみをしていては、ライバルに勝てるわけがありません。
まとめ
ワンマン社長は、自身が持つノウハウを自分の代だけで腐らせてしまわないために、どんどん発信していくべきです。
「世間に向けて、経営者である自分や会社の魅力をどれだけ発信できるか」が、次世代に向けてワンマン社長が力を入れるべき1つの着眼点だといえます。
それを簡単に、安価に行えるのがSNSツールです。
中小企業の事業戦略におけるSNSの使い方については、おおたかの森ファーム株式会社(https://otakanomorifirm.com/contact/)までお問合せ下さい。