地方創生事業を自らやってみた!震災で朽ちた店舗物件購入からリノベーション、リニューアルオープンまでの取組Vol.1 久慈郡大子町編

当社は地方創生コンサルティングにも力を入れております。

千葉県おおたかの森に拠点を置いていますが、DX支援なども積極的におこなっているため、都市部から地方への人・お金の流れを作ることにも積極的に関与しております。

今回はお得意様の所有物件買取のお話があり、従来から自身でも地方創生事業への関心が強かったため、思い切って物件を購入しました。

このコラムでは、当社が購入した物件と今後の展望を紹介していきます。

目次

茨城県久慈郡大子町の物件を購入してみた

購入した物件の所在地は、茨城県久慈郡大子町です。

「袋田の滝」が有名なこの街は、他にもさまざまな魅力が溢れています。

そして、今後まだまだその魅力を活かして人々を惹きつけていけるようなポテンシャルがあると感じ、物件購入に踏み切りました。

大子町のいいところ

大子町は、豊かな自然と美味しい食に溢れた素敵な街です。

私の主観では、近隣の観光名所である栃木県日光市に引けをとらないほどのポテンシャルを感じています。

温泉がある

(出典:大子町観光協会)  

大子町には、袋田温泉・大子温泉・月居温泉と、美しい景色を見ながら楽しめる温泉スポットがあります。

心を休める場所として、温泉は個人的に必須のスポットです。

清流がある

(出典:大子町観光協会)  

 大子町の中心部を悠々と流れる久慈川など、大子町は水が豊かな街です。

四季折々のさまざまな表情を楽しめ、シーズンには鮎がたくさん捕れます。

静か

(出典:大子町観光協会)  

山に囲まれた大子町は、アクセス難もあって観光客はあまり多くありません。

一方、人が少ないことでキャンプやロードバイカーが好きな方には密かに人気を集めている街です。

雪があまり積もらない

 山に囲まれているとはいえ、雪はあまり積もりません。

もちろん冬は寒いですが、路面凍結時を除けば普通車でもアクセスできます

いい意味で僻地

 千葉県の中では茨城県よりに位置するおおたかの森ですが、それでも大子町までは車で2時間以上かかります。

 さらに近くに高速道路がないため、都中からは下道を走らないといけません。

そのアクセスの悪さが、ちょっとした秘密の場所に向かっているような感覚を与えてくれます。

大子町の現在

ここまで解説してきたように、大子町はいくつもの魅力があります。

しかし、あまり自己PRをしない茨城県特有の風潮やアクセス難から、これまでは観光地としてあまり注目されていませんでした。

ところが、ここ数年で大子町を訪れる観光客数は少しずつ変わってきています。

旅行業界は、コロナ禍で全体的に苦境に陥っています。

ただし、そのような中でもZ世代・ミレニアル世代と呼ばれる若い世代は旅行をしているようです。

この世代の方々が重視するものが、インターネット環境の有無・コストパフォーマンス・個性や自分らしさです。

  • 予算のかからないコンパクトな旅行
  • 「何もしない」をする旅
  • 人の雑踏のない場所

     

    今まではあまり価値とされていないものが、滞在場所としてもてはやされつつあります。

    コロナ渦を機に日本も一気にIT化などが進み、変化のスピードがアップしました。

    情報社会・ストレス社会といわれる今、人々にとって本当の意味での休息をできる場所が必要になってきています

    どちらかというと、必須なのはインフラです。

    特にネット環境は必要不可欠。

    もちろん大子町はオンライン環境で、リモートワークなども全く影響ありません。

    アクセスは陸路、首都圏からの距離もあまりないため、急ぎの要件があればすぐに帰れます。

    私も首都圏郊外に住んでいますが、居住地の近くでなるべく異なった世界観があるような、非日常感があることが大事なのです。

    購入した物件の現状とこれから

    前章で解説した魅力溢れる街「大子町」に購入した物件。

    その現状と、これからの展望を解説します。

    現状はかなり悲惨な状態

    この物件は、元々カバンの製造工業兼販売所として使われていました。

    しかし、東日本大震災の際に壁などに亀裂が入り、そこから浸水してしまい営業不能な状態に。

    その後修復せずにそのままの状態で長年放置したため、内壁や天井のカビが酷く、広範囲に及んでしまっています。

    内装工事会社様に今回リノベーションを相談しましたが、初見で絶句していました。

    とにかく「震災のダメージと漏水を長期放置したことによる老朽化がすごい」とのことです。

    幸いにも電気水道は使えるが、いつ不具合が起きてもおかしくない状態。

    建物の大きさが災いして、まともに直すとかなりコストがかかるそうです。

    これからの展望

    あるものを活用していかに低価格で提供できるか

    上記が、当社が得意とする地方創生事業の基本です。

    今はとにかく物が高く、手に入らない時代です。

    また、環境に対する意識も高く、何でもかんでも壊して作るというやり方では経営リスクも高く、スモールコンパクトな旅を必要としている来客にはマッチしません。

    今回の物件の再生計画は「いかにコストをかけずに事業を始めるか」に重点を置いています。

    現状はカビもひどく、ちょっとクリーニングをしたところでお客様に提供できる状態ではありません。

    ましてや、室内への水の侵入も発生しており、これを補修しないことには室内に何も置くことができません。

    しかも当社から片道2時間半という距離があります。

    コストをかければかけるほどサービスの販売価格転嫁を余儀なくされ、事業を改善する体力を削がれてしまいます。

    なるべく最小限のコストで、今回の事業を採算ベースにのせていけるよう模索中です。

    補助金などを活用した今後の活動を、このコラムに随時掲載していきます。

    リスクを減らした、小規模事業者向けの地方創生事業はおおたかの森ファーム株式会社(https://otakanomorifirm.com/contact/)までご相談ください。

    須賀 孝太郎
    おおたかの森ファーム 代表取締役
    東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。
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