「グレートリセット」というワードが、一時期話題になりました。
『グレートリセット』とは、現在の社会全体を構成する金融や社会経済などのさまざまなシステムを、一度すべてリセットすることを示しています。
引用:SPORTS
「グレートリセット」とは米国の社会学者リチャード・フロリダ氏が2008年に発行の著書のタイトルとして作られた言葉で、「世界がより良くなるように、経済・社会・環境などに関する仕組みを見直し、刷新(リセット)しよう」という考え方を意味しています。
2020年以降の新型コロナウイルスの感染拡大により、図らずともグレートリセットは起きてしまったのかもしれません。
しかし、グレートリセット本来の意味合いとは違う結果になっているように感じます。
コロナ禍で人々の心にリセットがかかった
社会の仕組みの再構築の前に、人々の心にリセットがかかっているように感じます。
コロナ禍で行動を制限されていた中、人々はテレビやネットから膨大な量の情報を浴びていました。
「行動はできないが、考える時間は山ほどある」という状況が生まれ、あの時期誰もがさまざまなことを考えたはずです。
しかし、一人で考えてもどんどん正解からは離れていきます。
「道を尋ねる者は道に迷わない」ということわざがありますが、まさに一人で考えていてもどんどん偏った方向にいってしまいます。
しかも、考えた苦労が伴い間違った答えに絶対的な自信をもってしまうこともあるのです。
正解のないコロナワクチン問題
コロナやワクチンの情報は、結局誰が正しいのか、どれに従えばよいのか。
人に答えをもとめても正解がない状態がいまだに続いています。
先日もお得意様より「5回ワクチンを打っているが6回目を打つべきか悩んでいる」というお話を聞きました。
国はもちろん打つことを推奨し、家族も何かあっては「打つことがベターだ」というそうです。
しかし自身は副反応に苦しんだ過去があったり、周囲に聞くと打ってない人も意外と多くいたり・・・
人の心の読み合いになっており、コミュニケーションに過度な疲労感を感じてしまうシーンが多々あるのが実情です。
世代間のズレの深刻化
企業の足並みにも、人の心の読み合いによるコミュニケーション疲労は起きています。
特に世代間のずれの深刻化です。
心のリセットによって、人々はしるべを失いました。
しるべがない中で、あてとなるのは今までの経験です。
特に「どういうときに上手くいったか」ということを思い出します。
世代によって、生きてきた時代は異なります。
例えば、50歳の人と30歳の人では「20歳のころの成功体験」といっても時代背景や環境が全く異なるはずです。
それなのに、世代間のズレた認識をしるべにしてモノゴトを判断することがあります。
異なった時代の成功体験を「良かれ」と思って互いに押し付け合っている状態になっており、それでは修復不可能な溝ができてしまいます。
お互いに「良かれ」と思っているのに、相手は否定的なリアクションをしてしまうのです。
考えに考えた良い方法を提案したのに、理解してもらえない。
そうなると「私の考え方を理解してもらえない」と判断され、決別を生んでしまいます。
今、ビジネスの現場で起きていること
企業では、下記のような次章が各地で多発しています。
- 長年の仲間の別れ
- 業務の破綻
- 責任の押し付け合い
- 労務災害
上記のようなトラブルは数値化するのがとても難しく、すぐに業績など金額面に出てきません。
しかし今は 「もの」より「こと」が大事とされている時代です。
人材のトラブルは致命傷だといえます。
その一方で、何でも一人でやってしまう人(逆に言えばチームプレーが苦手な人)はとても仕事がうまくいっています。
なぜなら自分の判断で全てを決められ、絶対にブレないからです。
効率化・合理化を求めて会社を作ることが正しいとされてきた現代ですが、今は皮肉な結果が出てしまっています。
ただし、これから先はわかりません。
企業が取り組むべきはキズナの強化
企業が今取り組むべきことは、今いるメンバーの中でより信頼感・連携感を強化することです。
自身をさらけ出し、膿を出し尽くしてもいいかもしれません
その結果、去る人もいるかもしれませんが、それも新陳代謝として必要なのかもしれません。
しかし人々の心にリセットがかかっている現状で、合理的な戦略はあまりにもリスクです。
まずは、人と人のキズナの強化が最善だといえます。
また、絶対的な信頼感でつながったチームはこれ以上ない最強の組織となり、今後心のギャップが埋まってきたときにさらなる飛躍や発展が期待できそうです。