経営者にとってビジネスゴルフは必須か|仕事のためにゴルフを始めようか悩んでいる一人社長のためのプレーヤーの素性振り分け

経営者の中には「ビジネスのために、自分もゴルフをやるべきなのではないか」と悩んでいる方も多いはずです。

私の場合は、薄く長く自分のペースでゴルフをたのしんでいるタイプです。

そんな私の偏見的な視点もまじえながら、ビジネスゴルフプレーヤーの現状を解説していきます。

目次

経営者にゴルフが必須だったのは昭和の話?

「ゴルフでつながった縁、ゴルフをやってたから今がある」

「ゴルフで健康維持とビジネスを両立している」

「もはや、私はゴルフが仕事だ」

上記のような発言をするご年配の経営者は多いですよね。

しかし、「経営者×ゴルフ」という組み合わせは、途端に昭和臭のするイメージになります

そんな昭和的なイメージがつきまとうゴルフを、若手ビジネスマン・経営者はどう捉えているのでしょうか。

若手経営者がゴルフに嫌悪感を抱く理由

諸先輩方からゴルフの素晴らしさを聞けば聞くほど、今の若い経営者はゴルフに対して嫌悪感を抱くのかもしれません。

若者にとっては、ゴルフで得られるものよりも失うことの方が多いからです。

  • ゴルフに時間をとられる
  • そのあとの飲み会も呼ばれる
  • プライベートを切り分けたいのにとやたらに親しくしたがる
  • 技術を教えてきたり、道具を買うのをかなり積極的に進められる

本来、上記のような要素があるからこそ、人と人との繋がりや信頼感が生まれ、ビジネスパートナーとしても特別な関係性に発展していくはずです。

しかし、現代の若者はそのような付き合い方を好みません

趣味としてゴルフを楽しむ若者は増えている

先輩とのしがらみがなければ、本来ゴルフは素晴らしいスポーツです。

若者達の間では、コロナ禍から友達同士で行くプライベートゴルフを楽しむ人は増えています。

土日にゴルフをする場合、プレイ料金は平日の倍はするうえに混んでいます。

しかし、リモートワークの普及により平日休みも取りやすくなり、それも若年層のゴルフ人口増加に貢献しているはずです。

ただ、それはあくまで趣味として同世代同士でのプレイが多いようです。

経営者のゴルフとの向き合い方

経営者の皆さんのゴルフとの付き合い方は、大きく分けると以下の4つに分類されるように感じます。

  1.  全く向上心なく、ひとまず道具を持って誘われたら行く
  2.  道具もマナーも覚えたうえでプレイだけを楽しむ
  3.  さらなる技術向上のため100切りをめざす
  4. ゴルフが好き、ゴルフのとりこになってしまう

     ①全く向上心なく、ひとまず道具をもって誘われたら行く

    おそらく一番意味がないのがこのタイプです。

    もちろん、ここから始まって次第に熱心になっていく可能性はありますが、生産的とはいえません

    「向上心がない=いつまでも上達しない」ということになり、プレイの進行の足を引っ張ってしまいます。

    長年ゴルフをやっている経営者などは、抜群にうまい方がほとんどです。

    そういう人たちは、ある程度自分と同等の実力の人、もしくは向上心があり「こちらから教えたくなるような人」と一緒にゴルフを楽しみたいと考えているはず。

    一度は誘われますが、そこでのプレイがあまりにもズサンだと、ビジネスの観点からみるとポイントダウンは免れません

     ②道具もマナーも覚えたうえでプレイだけを楽しむ

    「特にゴルフは好きでも嫌いでもないけど、誘われる機会があって年数回プレイする」といったタイプです。

    よくいいますが、練習をしたからうまくなるわけではありません。

    しかし、練習したりレッスンを受けたりしないと完全な我流となり、変なクセがついてしまいます

    一度我流のクセがついてしまうと、うまくなりたいと思ってもその我流を取り除くのに相当苦労するはずです。

    当たり障りなくプレイだけしていても、一番重要なプレイマナーは覚えられます。

    それだけで、周りに迷惑をかけないようなプレイはできるでしょう。

    しかし、問題は一向にうまくならないことです。

    うまくならない人には周りのうまい人が教えたがったりしますが、本人に向上心がないので、その会話は盛り上がりません。

    仕事絡みのゴルフをこなすことは可能ですが、本人は年を追うごとにゴルフが嫌いになってしまうかもしれません。。

     ③さらなる技術向上のため100切りをめざす

    ゴルフのコツや楽しみ方を掴んできた段階のこの段階が、一番楽しいとよくいわれます。

    私も偉そうなことをいってこのレベルです。

    そこそこ練習をし、レッスンも受けてプレイも月1回くらいこなしていました。

    向上心もあるので、ゴルフ談義もはかどります。

    ジネスゴルフの中間管理職といったところでしょうか。

    うまい人も下手な人もどちらもみて、結果一番ビジネスゴルファーとして活躍する頃合いかと思います。

    しかし、ここで分岐点に差し掛かります。

    • もっとうまくなりたいからと、練習やレッスン量を増やしたり競技に出たりする
    • これ以上ゴルフに時間を費やすのがしんどい

    もともとゴルフが好きな人は前者の道を歩み始めます。

    後者は、もともとゴルフはそんなに好きではないが「仕事でやってるうちに熱心になった時期があった」というタイプです。

    そんな人は、この辺りで一度ゴルフへのモチベーション上昇が止まります。

    なぜならこの先の次元に進むには、かなりたくさんの時間とお金の投資が必要なことに気が付いているからです。

    ゴルフが好き、ゴルフのとりこになってしまう

    この次元の人達は、ビジネスゴルフという言葉さえ認めません。

    ゴルフが好きなので、ビジネスになろうとなるまいとゴルフをするのです。

    古来より、日本ではなぜかゴルフはビジネスの一部という容認姿勢が強いです。

    そのためお客様とゴルフに行くことは仕事であり、状況によってはプレイ中や合間の時間で電話やメールもでき、決してさぼっているわけではありません。

    もともと運動神経がよくて才能があり、ゴルフが上手い人も中でも「競技思考が薄く仕事としてゴルフに行きたがる人」と「気軽にゴルフを楽しみ、ルーティーンとして練習もする人」に分かれます。

    「努力が好きで、どこまで自分がゴルフがうまくなるか試したくなってしまう」

    「月例杯に出るため会員権を購入し、練習やレッスンに明け暮れる」

    ここまでくると、もはやゴルフに夢中になっている状態です。

    できればビジネスゴルフより「同じ志の人と回りたい」「同じくらいの技量の人と切磋琢磨したい」と考えているかもしれません。

    いずれにせよ、コミュニティの中での関係性は深くなるので結果ビジネスの繋がりも生まれるでしょう

    もちろん、名門クラブなどではプレイヤーもビジネスマンとして一流の人が多く、それもビジネスゴルフとしての成功だといえます。

    ただ、上昇志向が強過ぎるといい年をして意見のぶつかり合いが起きたり、熱心にやりすぎて燃え尽き症候群になったりなど、趣味の範疇とはいえここまでなると相当の覚悟が必要です。

    まとめ

    ゴルフから仕事に繋がることは十分にあり得ます

    なぜなら、ビジネスで繋がりのある人や、経済的地位の高い人と長時間一緒にいて、プレイを讃えあったり、食事を共にしたりしていれば、たいていは仲良くなれます。

    それがたまたまゴルフという場所であるだけです。

    その代わり、時間やお金の負担も大きいです。

    ビジネスで繋がりたい人との社交の場がゴルフ以外にあれば、そこに時間やお金、気持ちの投資をするのが最善です。

    「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、好きなことを楽しんでやれば仕事に限らずいいことがあります。

    それが必ずしもゴルフである必要はありません

    まずは、仲の良い人と練習数回・プレイ2回くらいこなしてみて、自分がどのスタイルかを見極めてからビジネスゴルフを始めるのが最善です。

    須賀 孝太郎
    おおたかの森ファーム 代表取締役
    東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。
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