納税の本質をしるための授業「推譲の道」
西深井小学校の2年生を対象に税の授業「推譲の道(スイジョウノミチ)」を実施しました。
今回は農業を主体とした内容で、仕事はサツマイモ🍠の土洗い、報酬はみかん🍊という形で構成しました。
サツマイモ洗いと報酬
今回の仕事は、えか農場(https://www.ecag.co.jp/)にて全校生徒が育てて収穫したサツマイモの土を洗うというものです。子どもたちは各々のペースで作業に取り組みましたが、洗える本数には個人差があるため、報酬額にも自然と差が出る仕組みになりました。
予想外の展開もありました💦
報酬として用意したニシモリ君紙幣✨が途中で不足してしまったのです!
最初は1本洗うごとに2万円を支給していましたが、途中から1万円に減額。最終的にはボランティア作業となる場面も。それでも「ボランティアでも最後まで全部洗いたい!」と取り組む子どもたちの姿に感銘を受けました。
報酬として渡した紙幣に子どもたちは夢中でしたが、予期せぬ問題も発生!
お札を保管する財布を用意していない子が多かったため、急遽、先生と協力して紙幣に付箋で名前を貼り付けました。この際、「これが銀行サービスのような役割なんだよ」と説明し、実体験を通じて金融の仕組みについて学ぶ機会を作ることができました。
金融知識の学び
授業の中で、子どもたちの自由な発言も飛び出しました。
ある子が「このお金で借金を返せる!」と冗談交じりに言う場面では、「借金をすること自体は悪いことではないよ」「約束通りに返さないことが問題なんだよ」と伝え、借金の本質や責任について理解を深めてもらいました。
暴力的な税率50%と納税の体験
授業のハイライトは、報酬から50%を税として納めるシミュレーションです。
かなり高い税率に設定しましたが、当日はみな「ハーイ」と快く納税していました。
ところが、後日提出された感想文には「税が高すぎて不快だった」という率直な意見も。子どもたちの素直な反応が興味深いポイントでした。
集めた税金は、和歌山県有田川町の「マルケンみかん🍊」(https://maruken-mikan.com/)さんより提供いただいた「有田みかん」の購入に充てました。
授業ではまず和歌山県や有田みかんの魅力を動画で紹介し、最後に実際のとれたてみかんを子どもたちに配布。
教室中に広がるみかんの香りとともに、子どもたちはその美味しさを堪能しました。
好奇心と正義感の塊、小学2年生
小学2年生は表現力が豊かになり、感性も高度に発達しています。そのため、授業中にはアカデミックな発言や斬新な視点が飛び出し、教師としても学びの多い時間となりました。一方で、2年生という年齢特有の好奇心と正義感も垣間見られ、「推譲の道」を最も体現している世代だと感じました。
授業前は、不正や反発といった人間らしい反応も期待していましたが、実際には全員が模範的な「市民」として納税に協力。大人顔負けの納税意識を見せてくれました。
最後に
今回の授業を通じて、子どもたちは税や金融の仕組みを実体験を交えながら学びました。また、得た報酬を共有し合うことで「推譲の道」の精神を肌で感じたと思います。
私たちもまた、日頃から自然との共生や心の教育を大切にしている西深井小学校の取り組みに触れ、多くの学びを得ることができました。この素晴らしい体験を未来へつなげていきたいと思います。