少年少女の社会復帰=コミュニティへの復帰の難しさ

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少年院受刑者の社会復帰と事業者との連携

ご縁があって少年院に入ってしまった少年の就職先として弊社のクライアントをご紹介させていただきました。
クライアントは建設業です。

元々そういう子供に理解のある社長と社会復帰を目指していた少年でしたので
少年院にて面接をして双方合意のもとで就職ができました。

しかしその先は苦難の連続でした。
色々な問題点が分かってきたのですが一例としては…

◆少年少女は仕事に就く以前に大人になるマインドが不足している
◆企業は雇用主という立場上人間力の部分にどこまで踏み込むか
◆保護観察所のフォロー体制もその担当者様次第
◆少年院 少女院と保護観察時の束縛のレベルが違いすぎる
 等々

そもそも少年はもうすぐ成人とは言え
マインドの部分の成長が過去のなんらかの影響で止まっている
もしくは、本人が止めてしまっていることが多々あります。
そんな状態で仕事を覚えたり、利益を意識したり、社内のルールを意識したりというのは
飛びすぎていて本人には困難を極めます。

少年院 少女院も厳しく指導するため従順に作業をする、善悪の区別はある、自己表現をある程度できる
までは更正されることがありますが、それは束縛監視下でできること
保護観察時のある程度自由の利いた中で本人が判断するのはあまりにも急なレベルがあがります。

方や雇用主の会社も昨今の労働法の強化や最低時給の異常な上昇で余裕をもって彼らを育てることができません。
いち早く会社の戦力になってもらわないと雇うことで持ち出しになってしまったり
既存社員の意識の低下やストレスの上昇になり最悪の場合、会社組織がぶっ壊れてしまいます。
もちろん雇用することでの補助金もあるのですが、大事なのはチーム力です

少年院 少女院を出た彼らの社会復帰を会社ぐるみで達成できれば会社のチーム力はあがり
彼らも社会のコミュニティで生きていけることができるのです。

しかし現実はそんな簡単ではありません
保護観察所もマンツーマンで管理できる体制でもなく
問題があったときは結局、雇用主と身元引受人と当人で解決するしかないのです。

今回は全員高い意識があったため困難な中でもなんとか乗り越えて来れました。
この3者どれがかけても現状半年以上雇用が続いておりますが
この状況は実現しなかったと思っております。

※保護観察官の方に直接お話を伺う

どの社会的立場に限らず、弱者は社会コミュニティに自力で入っていることが困難
そして、彼らや彼らの親族は本人が社会のコミュニティに居続けてもらえることを最善としてます。
“ 何かの1位になってほしい”
“ 結婚して幸せになってほしい”
そこまで望まずはとにかく社会のコミュニティにずっといてほしいの一点なのです。

雇用主としても慢性的で深刻な人材不足に陥ってます。
少年院 少女院の彼らを雇用することはこれの直接的な解決にはなりません。
(前述のとおり困難の方が多いです)
しかし、今一度組織のある意味を考えるコミュニティの重要性を考える
自身が不自由なくコミュニティにいられるなかでコミュニティにいられることの価値を知る。

学べることも沢山あります。

少年院 少女院には社会のコミュニティに参加するために働き口を探している人材は無数にいます。

完全住み込みで外のコミュニティに出さない環境だと情報が沢山はいってくる昨今では彼らもすぐに脱走してしまいます。

お互いに沢山話し合い
分かち合い
一緒にいる意味をわかりあうこと
難しいことですがこれができているチームでないと本当の少年少女の社会復帰はできていないと思っております。

ビジネスとは縁遠い世界ですがご興味のある経営者様や親御様は
一度おおたかの森ファーム(https://otakanomorifirm.com/contact/)までご連絡ください。

須賀 孝太郎
おおたかの森ファーム 代表取締役
東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。
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