コロナ禍はまだまだ収束の光が見えていません。
ウクライナ戦争、物価の上昇、変わり続ける為替相場。
まさに混乱期真っただ中の現代、中小企業は常に冷静、且つ迅速な経営判断を迫られています。
ここで疲弊してしまっては、多くの中小企業が「負のスパイラル」に突入してしまいます。
この記事では、中小企業に迫りくる負のスパイラルと、それを脱出するための方法について解説します。
世の中の混乱は止まる気配がない
明日の世の中の状況が、今日とは完全に逆方向に展開していたとしても、全く不思議ではない今の世の中です。
まずは今現在の中小企業や経営者が置かれている現状、そして問題点について解説します。
混乱する世情の中、経営者が置かれている現状
先週まで上がっていく円安に対して、どう対応していくかをクライアントと協議しておりました。
ところが今は円高に振れております。
昨日までお話していたこと、すべてひっくり返して考えないといけません。
- 再び急な円安に振れるリスクもあり、そのためのリスクヘッジをすべきか
- そもそも仕組み自体を変える必要があるか
このような選択肢の狭間で頭を悩ませている今日この頃。
更には、コロナに対してのスタンスにも頭を悩ませています。
- 感染防止を第一に考え、全力をそそぐのか
- 自社の取引を最優先しつつ、同時に予防対策するのか
このように、1人社長は日々急なかじ取りを必要としていることでしょう。
心身ともに疲弊してきているはずです。
しかし、疲弊してしまうと社員や協力会社などへの対応が、ついつい粗末になってしまいます。
迫りくる負のスパイラル
経営者であるあなたは、日々必死に面舵を右に左に切りまくっているはずです。
しかしその裏側で、従業員に下記のような印象を持たれている可能性があることに、あなたは気がついていないのかもしれません。
コロナ禍により出社や会議、打ち上げなどが減り、意思疎通する機会が減り、気持ちの乖離も生じているでしょう。
このままの状態が続くと、以下のようなスパイラルが生まれてしまう恐れがあります。
社長のメンタルが疲弊する
⇒社員の勤労意欲も減少する
⇒協力会社が離れてしまう
⇒売り先から不信感を抱かれる
⇒売り先との揉めごとが起きてしまう
⇒更に社長のメンタルが疲弊する
このような負のスパイラルをいち早く抜け出すことが、今後の中小企業の明暗を分けることになるはずです。
負のスパイラルを脱出するための4ステップ
負のスパイラルの始まりは「経営者のメンタルが疲弊すること」です。
それを防ぐためには、問題点を細かく分離しながら、経営者が落ち着いてものごとを判断できるようにしなければなりません。
負のスパイラルを脱出するための4ステップを解説していきます。
① 信頼できるパートナーに会社を俯瞰的にみてもらう
② 会社へ悪影響を与えている要因を、内的要因・外的要因の2種類に分類する
③ 外的要因は、抜ける時期の見通しを立てる
④ 内的要因の解消方法を模索
① 信頼できるパートナーに会社を俯瞰的にみてもらう
「信頼できるパートナー」というと、どのような方を思い浮かべるでしょうか?
最初のステップにあたる、この「信頼できるパートナー」の選任が一番難しいです。
しかし、これを誤ってしまうとすべてが悪い方向に向かってしまいます。
信頼できるパートナーの要件として、以下のものが挙げられます。
- 自社の状況を親身につぶさに知ろうとする人
- 他業界や他の人脈をもっているひと
- 自社の社員や社長の家族をリスペクトできる
- 社長の内面を受け入れつつも媚びずに積極的に意見を言ってくれるひと
つまり信頼できるパートナーとは、仲がよいわけでもなく・よそよそしいわけでもなく、大先生と弟子の関係でもありません。
喜び・楽しさ・やりがいを共に分かち合い、時には意見をぶつけ合い、それでも離れない関係。
そんな人こそが「信頼できるパートナー」と呼べるはずです。
信頼できるパートナーを慌ててつくることはできません。
経営者の奥様が、会社においても信頼できるパートナーになっている企業もあるでしょう。
または従業員のNo2がそうであったり、兄弟がそうであったり、父親がそうであったり、我々がそうであったり……
信頼できるパートナーを専任するのは、経営者自身です。
つまり、自力で見つけないといけません。
おおたかの森ファームは、クライアントにとって「信頼できるパートナー」になることを第一としております。
②会社へ悪影響を与えている要因を、内的要因・外的要因の2種類に分類する
「会社の状況が悪い」と一言でいっても、その裏側にはさまざまな要因があるはずです。
全ての要因を俯瞰的視点で見つめ直し、内的要因・外的要因の2種類に分類する必要があります。
内的要因の例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 社長のメンタルが不調
- 過去の事業計画がずさんで、資金繰りに追われている
- 従業員への教育が行き届かず、売り先から不信感を得ている
- 値段設定を間違えているため、見積りがとおらない
対して、 外的要因の例としては以下のようなものがあるでしょう。
- 為替の急激な変動
- 取引先の経営悪化
- コロナ禍による行動制限
- 従業員の人生観の転換による別れ
このように「自社の中に原因があるもの」と「決して自社の中に原因はないが自社に悪影響を与えているもの」を、まずは区別します。
そして、別々の対処をしていく必要があるのです。
③ 外的要因は、抜ける時期の見通しを立てる
外的要因に対しては、抜ける時期の見通しを立てつつ、現状のサービスを維持していきましょう。
外的要因は、自社の中には原因はありません。
つまり、自力ではどうにもならないのです。
一番やってはいけないことは、どうにもならないことなのに色々考えすぎたり、急なかじ取りをすることです。
自社の中に原因はないので、考えても、舵を切ってもどうにもなりません。
大事なことは、今のサービス・今のやり方を頑張って維持することです。
現状のサービスの内容ややり方に対して、得意様は不満は持っていないはずです。
もちろん、現状維持することにより赤字が膨らんでしまう可能性はあるでしょう。
しかし外的要因は、抜ける時期が必ずやってきます。
膨らむ赤字も、10年スパンでみるとちょっとした凹みにすぎません。
そこでブレないものだけが先の平坦な道を歩けて、また加速することができるのです。
ただし、現状を維持するといっても何も施策を投じないわけではありません。
資金繰りや組織編成などのマイナーチェンジはたくさんやりましょう。
新しい取り組みも必要です。
それらは、すぐに成果には結びつかないかもしれません。
また、基本的なサービスを維持しながら、それらの取り組みをおこなう必要があります。
現状維持をしながら、マイナーチェンジや新しい取り組みをおこなう方法については、また後日のコラムで解説します。
④ 内的要因の解消方法を模索
内的要因に対しては、もちろん何らかの策を投じて解消しないといけません。
内的要因は長年一生懸命にやってきた結果として、こじらしている症状のはずです。
外的なパートナーが、無理に荒療治したりすると、余計に症状をこじらせることになってしまいます。
そんなことをしでかすパートナーは、信頼できるパートナーとは呼べないでしょう。
内的要因に対しては、現状に至った経緯をち密に精査し、少しずつひも解いていく必要があります。
その作業には時間がかかり、そうしている間に赤字が膨れるかもしれません。
しかし、ゆっくりひも解くことで原因が特定でき、原因さえ取り除けば数字も改善できるはずです。
基本的には、社内には誰も悪人はいません。
考え方の不一致や、タイミングの問題などで徐々に溝ができ、やがて問題が発生するのです。
問題が出てしまった限りは、ある程度の損失は覚悟しないといけません。
大事なのは、焦らずにゆっくりひも解いていくことです。
信頼できるパートナーは、このシーンでも心強い存在になってくれるはずです。
まとめ
負のスパイラルを脱出するための4ステップを、信頼できるパートナーと共に取り組むことで、今回のピンチは今後のための糧になります。
次に世間が右往左往するような混乱が訪れたとき、自社は混乱に飲み込まれずに活躍できるはずです。
ピンチに強い会社は、強い組織を持っています。
更に、ピンチを乗り越えた数だけ、組織は強くなります。
瞬間的にモテたり儲けていても、持続可能性がなければ経営者失格です。
自身のポテンシャルを長い期間発揮し、提供できる経営者こそが、優れた経営者だといえるのです。
信頼できるパートナーをお探しの会社は、おおたかの森ファーム株式会社(https://otakanomorifirm.com/contact/)にお問い合わせください。