1人社長会社のやらなければいけない事業スタイルの変換

現代は、先行きがみえないVUCAの時代だといわれております。

VUCAの時代とは、変動性が高く、不確実で複雑、さらに曖昧さも含まれた社会情勢のことです。

大企業はもとより、中小企業がVUCAの時代を切り抜けていくためには、事業スタイルの変換が必須です。

目次

コロナ禍における中小企業に関する統計調査

株式会社YKプランニングが従業員数300名以下の中小企業経営者を対象に実施した「コロナ禍の経営で重視すべきこと」という統計調査の結果について解説します。

会社存続の危機を感じている会社は約6割

(画像出典:PR TIMES

まずは、2020年の業績が減収減益であると予想している会社が約半数、そして会社存続の危機を感じている会社が約6割です。

コロナウイルスの影響がいかに大きなものかが伺える数値結果となっております。

コロナ禍で企業経営を変更した経営者は約半数

 

(画像出典:PR TIMES

コロナ渦において企業経営を変更した会社が約半数です。

そして、固定費・人件費・広告宣伝費の3つのコスト削減に努めている会社が多いことがわかります。

コロナ禍で経営者が最も重視していること

(画像出典:PR TIMES

続いて、「コロナ禍の経営で最も重視していること」という設問に対する回答結果です。

やはりコストの削減や資金繰りといった緊急度の高いものに注力されている経営者が多いのでしょう。

もちろん、緊急度の高いそれらの項目に対して施策を投じることは大切です。

しかし、それらはあくまでも「応急処置」であり、長い目で見据えてこれからの時代を生き抜いていくためには、「経営戦略・事業計画」の見直しこそが最も注力すべきところなのです。

アフターコロナで経営戦略を更新すべき2つの理由

コロナウイルスの感染者数が今後落ち着いてきたとしても、以前のような社会には戻らないことが予想されております。

アフターコロナの時代は、ニューノーマルといわれる「新しい当たりまえ」が到来するのです。

アフターコロナに向けて経営戦略を見直し、更新すべき2つの理由について解説します。

コロナ禍で消費者の価値観や行動が変化したから

コロナ禍において、消費者の価値観や行動は確実に変化しています。

特に多くの消費者は、以下のような価値観・消費行動に変化していることが昨今の経済状況に如実に表れております。

  • 必要なものを吟味し、不必要なものは買わない
  • コスパの高さを重視する
  • 光熱水費を節約する
  • 安心・安全・健康を重視する
  • 単独行動や少人数での行動が中心となる
  • 行動範囲が狭くなり、人の動きが緩慢になる

また、三井住友カード株式会社が保有するキャッシュレスデータを集計・分析した結果、ウィズコロナの時代の消費者行動は以下の5つのタイプに分かれていることがわかっています。

(画像出典:新型コロナウイルスがもたらす消費行動の変化レポート第3段)

このように消費者の価値観や消費行動が変化しているのに、コロナ前のビジネスから何の変化もしないまま業績を上げていくことは不可能に近いでしょう。

また、これからアフターコロナに向けて、トキ消費・イミ消費の2つの消費行動が増えるといわれております。

トキ消費

トキ消費とは、特定の場所・人・瞬間でしか経験できない「トキ」に価値を感じ、お金を支払う消費行動です。

2017年頃から注目されている概念で、SNSの発達により自身が経験した希少な経験を共に楽しみたい・自慢したいという消費者の心理傾向が芽生えてきたことが、消費者がトキ消費を求める要因だと考えられております。

トキ消費には、以下の3つの特徴があります。

  • 非再現性……そのときを逃すと同じ感動や体験を得られない
  • 参加性……来場者や傍観者として参加するのではなく、主体的に参加できる
  • 貢献性……各参加者が盛り上がりに貢献していると自覚できる

トキ消費の代表例として、ライブやフェスへの参加・アイドルの総選挙・クラウドファンディングなどが挙げられます。

イミ消費

イミ消費とは、商品やサービス自体の機能や魅力だけではなく、それに付帯する社会的・文化的な価値に共感することでお金を支払う消費活動です。

2011年の東日本大震災以降に多く見られるようになった消費活動だといわれております。

付帯する価値の代表例として「環境保全」「地域貢献」「フェアネス(正義)」「歴史・文化伝承」「健康維持」などが挙げられます。

SDGsに対する関心の高まりなど、若い世代にも多く受け入れられ、影響を与えている消費行動です。

働き方改革~コロナ渦で労働者の価値観や在り方も変化したから

コロナ禍で変化したものは消費者だけではありません。

会社の従業員である労働者の価値観や在り方にも変化が現れたのです。

その変化は働き方改革が唱えられた2019年頃より始まり、コロナ禍においてより変化のスピードが急速になりました。

  • 多様な働き方の推進
  • 副業・複業の一般化
  • 企業間ワークシェアの推進

事業を進めていくためには、当たり前ですが労働者の存在が必要不可欠です。

消費者の変化と合わせて、労働者の変化も受け入れながら、経営戦略を更新していく必要があるのです。

アフターコロナの時代に事業の成長が期待できるビジネススタイル

アフターコロナの時代に事業の成長が期待できるビジネススタイルとして、以下の要素を含むことが重要だと考えられます。

  • 人、物、箱を小さくしたり大きくしたりできる
  • 会社を止めたり、動かしたりできる
  • マーケットを変えてもすぐに売れる

VUCAの時代は、先行きが見えません。

時代の流れ・世間の流れに合わせて絶えず変化することが大切なのです。

強い者、賢い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残るのだ。

進化論で有名なイギリスの自然学者ダーウィンの言葉です。

まさに、現代の中小企業には変化が求められているのです。

まとめ

コロナ禍によって、消費者・労働者、そして社会の構造が変化しました。

そしてその変化はこれからも絶え間なく続いていくでしょう。

中小企業には、時代に合わせた経営戦略の変革が求められているのです。

おおたかの森ファームが携わった中小企業の経営戦略の変革の具体例について、別記事でまとめてあるので参考にしてください。

中小企業の経営戦略の変革の具体例|とある建設会社編

中小企業の経営戦略の変革の具体例|とある副業会社編

須賀 孝太郎
おおたかの森ファーム 代表取締役
東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。
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